一部トイマニアの間では既に常識となりつつあることだが、中国製造のフィギュア・プラモは凄まじい進化を遂げている。2010年代以降、特に日本のキャラクター(ガンダムやウルトラマン)ブームが中国内で爆発したこともあって、中にはちゃんと版権をとり、日本以上の熱意と技術をつぎ込んでトイ製造が行われることも。
今回紹介するブラック・マジシャン・ガールのフィギュアもその一つ。いうまでもなく伝説の漫画『遊戯王』に登場する超人気キャラクター。制作会社のMAGIARTSは東莞の玩具製造チームが前身で、2020年からキャラクタービジネスを展開、日本の漫画やアニメのキャラクターを立体化するようになった。まだ若い会社だけれども、そのクオリティは本物。そしてこのブラックマジシャンガールのフィギュア化によって、一躍その名をあげた。
百聞は一見に如かず。
見よ、この美しさ!!!!!
普段写真あまり撮らないので下手くそなのは許して…
ふ、ふつくしい……!!(by海馬瀬人)
男の子ならこれに感動せずにいられるか!!
スタイルがすんばらしいのはもちろん、躍動感のあるポージング(衣服や髪のはためきの細かさ!)、そして塗装もメチャクチャ丁寧。なんと指先のネイルまで塗ってある。原作カードをイメージした台座、ちっちゃいクリボー達も良い感じ。
なお、顔パーツは「ベロ顔」と「シリアス顔」に交換可能。お好みでどうぞ。でも頭部パーツの脱着が結構大変。壊さないよう慎重にやる必要あり。というか箱からの開封から台座への取り付けに至るまで大変気を遣う。指とか髪先とか細すぎて簡単に折れそう。お値段もお高いので骨董品を扱ってる気分になる。
ちなみにこのガール、正確には原作ではなく、中国人イラストレーター「Ekita玄」氏の描いたイラストの立体化になる。フィギュアにはおまけで元イラストの色紙と缶バッジが付属。なので原作と全然顔違うやんけ!という印象を受ける人もいるかも。私もこれは「ガール本人」じゃなくて「ガールのコスプレしてる美少女」に見える。
まぁ可愛いからなんでもいいんですけどね!!!
箱もめちゃくちゃお洒落。そしてデカい(比較になるかわからんけどポケセンのみがわりくんを置いてみる)。遊戯王のタイトルは中国語(遊戯王怪獣之決門)なのに、何故かガールの名前は日本語。フィギュアの表記がフェイギュアになってるのが微笑ましい。
ちなみにこのフィギュア、中国国内限定発売なので、日本で買うには代行会社や海外フィギュア専門店などをあたる必要がある。相場は大体二~三万前後。私が購入したのは通常カラー版で、他にも「アニメカラー版」「限定カラー版(おまけで追加顔パーツとターポリンが付属)」などバリエーションが存在する模様。
ところで、私が中国トイに興味を持ち始めたのは、中国女性youtuberの小宁子さんさんがきっかけ。下記は三年ほど前のツイート。当時は深圳のrobosen社による完全変形トランスフォーマーのフィギュアに大変衝撃を受けた。
おもちゃやゲームを紹介している中国女性youtuber・小宁子さん。テンション高くて楽しそうに紹介してくれるのがいい感じ。
ていうかこの完全変形コンボイ凄いな!
【开箱】会自己变形的擎天柱!也太帅了!这才是真正的变形金刚!|小宁子 https://t.co/pdzP9UDFer— 春秋梅菊 (@chunqiumeiju) January 9, 2022
そんなこんなで、最近も色んな中国トイ情報を集めている。特にプラモは急激に日本のモデラーやマニアにも注目されつつあり、youtuberにもレビューされている。気になる方は見てみるとよろし。
また日本では二十年前に放映されたきりの特撮番組「ビーロボ カブタック」が中国放映をきっかけに人気を博し、その余波でフィギュアが作られる、日本でリマスター化が進むなど、中国のトイ・キャラブームは日本側へも影響を生んでいる。今後も注目していきたいコンテンツだ。