1990年の大陸武侠映画。監督は李文化。
ものがたり
清の同治年間。兗州総兵の白寵は歓楽の限りを尽くす悪党として侠客達に狙われていたが、自らの住処である逍遙楼を万全の罠でかため、誰もが近づけずにいた。そんな白寵を仇と狙う青年・沈龍と、少女義賊の單娥。二人は力を合わせて逍遙楼に挑んでいく。
香港がワンチャイなどの洗練されたカンフー映画を撮っていたのと同じ時期に思えないほど、素朴で荒っぽい出来映え。バタバタせわしないアクションが実に大陸っぽい。ワイヤー、早回し、大袈裟な演出に頼らない堅実な作り、といえば聞こえはいいかも(地味ともいう)。まあこれはこれで好きだけど。
物語はベタベタの仇討ちもの。見所?はヒロインの單娥がピンチシチュのフルコースを食らうとこだろうか。罠にかかって捕まる、縛られる、昏睡薬を盛られてレイプされる、毒を受けてそれをヒーローに吸い出してもらう…などなど。挙げ句の果てにはレイプした男が自分の生き別れた兄でした…というオチ。やり過ぎ。誰得なんだこの爽快感のない展開は。
ラストは定番の出家エンド。まあそうなるしかないよね、これは…。
以下キャスト
黃國強/沈龍
本作のヒーロー。基本的に單娥のピンチに駆けつける役なので影薄め。
楊鳳一/單娥
本作の女主人公。ほどよく弱い。のでしょっちゅう敵にやられたり捕まったりする。演じる楊鳳一さんが美しい。アクションもほぼ自分で演じている模様。ちなみに演員よりも崑曲作家としての業績で有名なんだとか。
王赤/單彪
單娥の父。しかし娘との間には色々秘密がある。負傷していたとはいえ農夫とわんこに追い詰められる姿はなんか情けない。演員さんがよく動いて見応えあり。
王洪濤/白寵
本作のラスボス。逍遙楼にしかけられた数々のトラップを武器に戦う。この手のカンフー映画ありがちで滅茶苦茶しぶとい。演じる王洪濤はあの94年版三国演義の黄忠役。