
前回に引き続きスター・ウォーズ小説EU小説「ニュー・ジェダイ・オーダーシリーズ」を紹介していきます。今回で最終作まで。
全巻紹介・感想(感想はネタバレ全開なので伏せ表示です。ご注意ください)
運命の道(原題:Destiny’s Way)
新共和国政府と軍の生き残りは惑星モン・カラマリに集結。新たに組織の立て直しをはかる。ルークもこの機にジェダイ・カウンシルの再建活動を始めた。
一方、コルサントを得たユージャン・ヴォングも最高大君主シムラのもと共和国残党の殲滅を計画。両者はディープコアの惑星エバックで運命の決戦を迎える。
そんな中、共和国の内部ではヴォングを絶滅させる秘密兵器の開発が進んでおり…。
・ジェイセンの帰還、新政府設立、そしてコルサント以来の総力戦と見所満載で大変面白い一作。激しい戦いを経てジェダイも共和国もようやくまとまりを見せる。
・新政府の銀河同盟樹立にあたって、ルーク達もジェダイを統括するハイ・カウンシルを組織。ルークはよりにもよって惑星を破壊した過去を持つキップをメンバーに加える。当然周囲の人物も大丈夫かよ…という反応。ルークの「キップは騎士団の長老格だし、自分と意見の合わないものをメンバーに加えなかったら討議する意味も無い」という理屈もわかるけど、もう少し妥当な人物がいたのでは…。
・反ジェダイ派である元老院議員のフィヨール・ロダンは「政府には守護者のポストなど存在しない。軍人も外交官も専門のプロがいるのだから、ジェダイが出しゃばる必要は無い」と結構もっともな批判を口にする。加えてルークが高潔を装っているだけと罵る。確かに密輸業者仲間に選挙を操作させたり、政府にインサイダーズのことを黙ってたり、ルークやレイア達がめちゃくちゃ危険な集団であることは否めない笑 とはいえ銀河市民にはフォースの信奉者も多いので、彼らの心を掴むうえでやはりジェダイという存在は必要なのだろう。
・ルークとヴァーゲア、新旧共和国のジェダイが顔合わせ。ヴァーゲアはジェダイ同士の結婚を「家族は義務を果たすうえで足枷」「ジェダイ同士の間に階級を産む」と激しく批判。本作が描かれたのはちょうどエピソードⅡの公開あたりで、ジェダイの恋愛・結婚に関して公式が言及したのを取り入れている。ポテンティウム支持派なのを除けば、ヴァーゲアは何だかんだ旧ジェダイ騎士団のルールに忠実なようだ。ヴァーゲアは終始ルークを「若きマスター」と呼び、彼の騎士団を半端な訓練しか受けていない者達の集まりと評する。質の面ではやはり旧騎士団に及ばない模様。
・政府で秘密裏に開発されていた生物兵器のアルファ・レッド。滅ぼされた惑星アイソアのバッフォーの木から作られている。ヴォングのあらゆる生命体に作用し、戦争を一方的に終わらせられる代物。当然、使えば虐殺になってしまうとルークや一部の議員は反対。SF作品ではこういう極端なガジェットを時折見かけるけど、描写や設定をよく考えないと物語のバランスを崩すのであんまり好きではない。実際、シークエルではやたらデス・スターみたいな威力の兵器を出しまくるつまらない展開になってたし。
・映画でおなじみのアクバーが戦線に復帰。ろくに動けないほど老いているが、勇猛果敢で常に撤退しないヴォングの性質を利用し、脱出不能の罠にかける作戦を計画、見事大勝利をおさめる。しかし味方が弱いうちは難民を切り捨てる冷徹な面も。もっと活躍するかと思いきやまともな出番は本作だけ。鳴り物入りで登場したのに残念。
・ユージャン・ヴォングの最高代君主シムラが本格的に登場。サヴォング・ラはそのシムラからこれまでに兵力を消耗しすぎたことをなじられる。「レベル・ドリーム」以降大分格落ちしてしまった感が否めない。そして本作で退場になるわけだが、ジェダイ陣営では決して剣の名手とは言い難いジェイナと戦って敗れる。なんだかんだ肩書きと強さが見合ってない感じのキャラだった。
・自らの進退をかけてエバック攻撃を進言したノム・アノアだが、マラ達の流した偽情報にまんまと引っかかり大敗の原因を作ってしまう。そしてしくじりがばれるやそばにいた旧友を殴り倒して逃亡。小物ぶりが様式美過ぎて好き。
・ラスト、ルークとジェイセンのやり取りがとても良い。ルークはヴァーゲアとの問答を踏まえたうえで、愛や思いやりがジェダイの強さの核だと語る。ヴァーゲアも最後は思いやりを選び、ジェイセンの命を救った。ていうかそのジェイセン、エバック戦ではずっと艦橋でフォースメルドの調整という地味な役割で、その後ジェイナを助けるために艦隊から勝手に飛び出し、ヴォングの大軍へ囮役を務めようとして自分が追い詰められる、と何だか残念な扱い。順当に考えたらサヴォング・ラへのとどめだってジェイセンがやるべきだったろうに…。まあこれはちゃんと見せ場を与えてあげなかった執筆陣が良くない。
・カバーアートはルーク、レイア、ハン、ジェイセン、ジェイナ、ローバッカ、アクバー、ヴァーゲア、サヴォング・ラ。ローバッカはそんなに出番ないんだけど、エイリアン系はイラスト的に見栄えがあるためかよく選出される。
レムナント(原題:Force Heretic I: Remnant)
大勝利をおさめた銀河同盟に対して、ユージャン・ヴォングはすぐさま苛烈な報復で応じてきた。新たにいくつかの惑星が落とされ、泥沼の状態が続く。ハンとレイアは連絡のとれなくなった星系へ急使として飛び立つ。
一方ルークは、終わらない戦争を解決する方法として、ヴァーゲアの口にした「生きた惑星」を探し求めようとする。その手がかりを求め帝国領を訪れるが、そこにもヴォングの魔の手は伸びていた…。
・タイトル通り、独立を保っていたインペリアル・レムナントでの戦いが描かれ、帝国と銀河同盟がとうとう正式に手を結ぶ。主役組は伝説の惑星を探すルークやジェイセン達と、急使のため各地へ飛ぶレイア達に分かれて物語が展開。それとは別にノム・アノア視点から、前回大敗したヴォング側の内部事情が描かれる。本作からはしばらく大きな戦闘も無く、小粒なエピソードの羅列が延々と続くため、若干スケールダウンした印象を受けてしまう。
・レイア達が訪問したガラントスは過去作のブラックフリートクライシス三部作からの再登場。イェヴェサという凶暴なエイリアン種族との闘いが描かれたが、彼らは今回ヴォングによってあっさり全滅していた。なんか少年漫画で見かける「インフレについてけず新章で雑魚扱いされる前章ボス」みたいな扱い。悲しい。さすがにキャラ付けの関係上共和国と共闘はあり得なかっただろうけど、せっかくの再登場なんだからもうちょっと考えてほしい…ってこの感想何回目だ。
・エバック戦で大敗のきっかけを作ってしまったノム・アノアはコルサントの地下へ潜伏。奴隷階級の貧民達とサバイバル生活を送るハメに。が、奴隷達の間にひろまるジェダイ信仰(アナキンがヤヴィン4でラプーングと共に戦った事件が、ジェダイが奴隷身分から解放してくれるという伝説として拡散されていた)を利用してのしあがりを画策。ものすごい前向きなモチベーション。なんだかんだユージャン・ヴォング側で一番面白いキャラ。
・キップはすっかり品行方正なジェダイになってしまった。ジェイナにもそのことを突っ込まれている。いや、いいんだけど…笑
・冒頭で故郷のバラブⅠを失ったサーバが、ルーク達の旅に加わる。おかげで脇役ジェダイの中では出番が多くなり役得。個人的には息子のティーザーも好きなキャラだったのでもっと出番が欲しかった。
・前作の流れを踏まえてペレオンが完全な味方に。これ以降の主要な戦闘にはほぼ参加し勝利に貢献。スピンオフの古参キャラだけあって執筆陣から愛されてるのがわかる。
・カバーアートはルーク、レイア、ハン、ジェイナ、ジェイセン、テクリ、ペレオン。かなり美しくシリーズの中でも好きなアート。ジェイナは作中全然セーバー抜かない割にカバーではいつもセーバーを構えてる。
逃亡者(原題:Force Heretic II: Refugee)
ゾナマ・セコート捜索のため銀河辺境の未知領域へ向かったルーク達。未知領域を支配するチスを説得し、何とか協力をとりつける。
銀河各地の連絡任務を続けていたレイア達は惑星バクラヘ到着。彼らの政府は旧敵・シ=ルウク帝国との同盟を結ぼうとしていた。そんな中、かつてヴォングに改造されたタヒーリに異変が生じる。
・恐らくシリーズでいちばん面白くない作品。中継ぎのためしょうがない部分もあるが、話が殆ど進んでいない。冒頭、辺境惑星の原住民に襲われるルーク一行。他の面子はともかくジェダイ・マスターのルークがこんな程度の敵に苦戦しないで欲しいところ。
・これまで全然説明してこなかったが、実は新共和国の治める銀河には手つかずの領域がかなりあり(巻末の銀河宙図を見るとよくわかる)、今回登場するチスの未知領域もその一つ。で、ゾナマ・セコートの情報を集めるべくチスのデータ施設を訪れたルーク達。ところが、そこではよりによって書物で情報が保管されていた。チス曰く「アナログだけど一番安全な保存法」。本作が書かれたのは2000年代前半だが、現実の世界ではまさにネットの情報は紙より寿命が短いという問題が発生していたりもする。
・今回レイア達が訪れたバクラは過去作「バクラの休戦」からの再登場。珍しくユージャン・ヴォングが殆ど絡んでこないが、そのせいで本筋の停滞を感じてしまう。一応、黒幕の背後にはヴォングがいたんだけど、彼らがドロイド(厳密にはサイボーグだけど)を製造し操っていたというオチは設定的にかなり問題あるのでは…。後半になるにつれてボロが増えてきた気がする。バクラの情勢もなんだか投げっぱなしで、レイア達も事件に巻き込まれただけで殆ど解決に関われずと、全体的にもやもやする。
・心の均衡を失ってヴォングの人格が目覚め始めるタヒーリ。物語も終盤にさしかかってきたところで蒸し返すのは今更感が拭えない。魔都潜入あたりまでは悲しみを克服してしっかりしてた描写がある(他にもレベル・ドリームではジェイナに対して母親と向き合えと忠告するくらいしっかりしてた)ので、アナキンを失った悲しみ云々の理由付けもやや強引な感じ。そして本作以降彼女の話にはかなりの紙幅を省いているんだけど、これが別段面白くはないんだよな……。というかこんな重要な役どころに据えるなら、もっとシリーズ初期からタヒーリの出番を増やしておくべきだった。アナキンが死んでしまったので、作劇上彼の役割を埋めるポジションに無理やり立たされてしまったわけだけど、役不足感は否めない。まあ長期シリーズありきな失敗の一つだと思う。
・カバーアートは二つの惑星を背景にルーク一行とレイア一行が描かれる。ダニは初めてのカバー登場。ジェイセンが惚れるのも納得の美しさ。
再会(原題:Force Heretic III: Reunion)
チスの領域を飛び、ついにゾナマ・セコートを発見したルーク達。しかし彼らはユージャン・ヴォングの襲撃を受けていた。意識のある惑星は、戦争に参加するか傍観に徹するかで決断を躊躇しており、ルーク達はその説得に臨む。
そんな中、銀河同盟の連絡中継基地がヴォングの攻撃を受けた。レイア達は急ぎその防衛に向かうのだった。
・ゾナマ・セコートはハイパードライブを装備している。ただしハイパースペース移動には自然災害を伴う多大な負荷がかかるので気軽に実行は出来ない。またゾナマが移動した周辺の惑星も異変を受けてしまう。原住民のフェロー人達は基本的に惑星の意思に忠実だが、自らの生活を脅かす外敵にはかなり排他的。
・ゾナマ・セコートはルークとジェイセンに別々の場所から戦うべきか傍観すべきかを問いかける。ジェイセンはあろうことか戦わなくても良いと回答。いやそれじゃ何のために苦労してここまで来たのか……。ジェイセンの理想論は極端すぎて少しも共感出来ない。結局、ゾナマは戦うことを選ぶ。
・ノム・アノアは相変わらずちまちまと地下工作の真っ最中。時には信者の中にも癖強なのが現れたりして、馬脚を現さないよう必死に繕う羽目に。笑える。そんな中でシムラの謁見室まで近づける有力な信者を配下に加え、出世していた自分の昔のライバルを讒言で葬る。やることちっさ!! で、その信者も正体が露見して振り出しに。まあもとが自信過剰のオマヌケなのでこんなとこだろう。
・相変わらずもう一つの人格と戦い続けるタヒーリ。ようやく本作終盤で決着をつける。しかし彼女の物語は本筋の隙間を縫って何度も挿入されるので、かなり物語のテンポを乱している。
・「バランス・ポイント」ぶりにドローマが再登場。ハンとの愉快なやり取りを見せてくれる。ずっと一緒にいてくれるのかと思ったら今回限りの出番。もったいない。
・科学者枠としてゾナマの旅についてきたダニだが、かなり影が薄い。ジェイセンとのロマンスも特に進展なく終わってしまったし、初期から登場しているのに執筆陣がちゃんとヒロインとして育て上げられなかった感じだ。残念。
・カバーアートはルーク、マラ、ジェイセン、ダニ、ハン、レイア、ジェイナ、テクリ、サーバ、ペレオン、ドローマ。
最後の予言(原題:The Final Prophecy)
ゾナマ・セコートにまつわる噂はユージャン・ヴォング社会に少しずつ広まり、各階層に疑念を呼び起こしていた。シェイパーのネン・イェム、司祭階級のハラー、そして予言者を装うノム・アノアは、上層部の監視をかいくぐって銀河同盟と接触、ついにゾナマ・セコートへ到着する。
一方、銀河同盟の主力艦隊は優位を維持すべくコア付近で戦っていたが、ユージャン・ヴォングのホロネット破壊工作で広範囲な通信不能に陥ってしまう…。
・心の統一のため単身ダゴバを訪れるタヒーリ。なんか無理やり映画ゆかりの懐かし舞台を出したかっただけな気が。そしてこんな場所にも現れるユージャン・ヴォング。彼らがやってきてたった5年なのに、こんな未開の惑星にまで進入してきてるのが凄い。
・中盤、割とあっさりコルサントに潜入してしまうコランとタヒーリ。「魔都潜入」での苦労は何だったのか。どうも終盤は話の持って行き方が雑に感じる。タヒーリは生意気で自信過剰な態度が目立ち、一方のコランも何だか説教が嫌みったらしく、ここへきて妙に好感度を下げるような描写にちょっとげんなり。
・シェイムド・ワンの中では伝説のジェダイであるルークよりもヴォングに改造されたタヒーリやシェダオ・シャイを負かしたコランの方が有名人な模様。確かにルークはこれまでヴォング側の大者と関わった話が無いけれど、ちょっと不憫で笑える。
・ビルブリンギ攻撃をしかけた同盟軍は通信不能トラブルにより苦戦を強いられる。「逃亡者」でもローディアンのならず者に捕まったジェイナだったが、今回も戦闘空域をうろついてたケチな海賊に捕まってしまう。ジェダイなのにちょっと弱すぎでは…。
・後半で唐突に登場したペレオンの息子デヴィス。そして殆ど無意味に近い特攻で死亡。うーん。戦争の過酷さを描写したいのはわかるんだけど、こういうシチュをやりたいんだったら「レムナント」あたりからデヴィスを登場させて読者の印象に残しておくべきだった。いきなり出てきていきなり死なれては感動も余韻もあったもんじゃない。
・ノム・アノアはシムラの側に返り咲くため、ゾナマ・セコートに破壊工作を施し、行きがけの駄賃にネン・イェムを殺害。やっぱり一番話を盛り上げてくれてるキャラ。
全体的にもやもやした展開ばかりの巻で「逃亡者」と同じくらい出来が良くないと思う。
・カバーアートは大きく描かれたタヒーリ、それからコラン、ハラー、ネン・イェム、ハン、ヴェッジ、ジェイナ、ノム・アノア。
迷走(原題:The Unifying Force ※日本版は分冊刊行)
ゾナマ・セコートはノム・アノアの破壊工作でジャンプを繰り返し、あてもなく銀河をさまよい続けていた。そんな中、司祭ハラーとゾナマの邂逅により、長らく謎だったユージャン・ヴォングとフォースの関わりが明かされる。
一方、コルサントのシムラはゾナマ・セコートの存在を危険視し、銀河同盟を滅ぼすべく決戦の準備を急いでいた。しかし相次ぐ奴隷階級の反乱や支配階級の粛正により、その支配力は弱まりつつある。同盟軍はその隙をつくべく、モン・カラマリに艦隊を結集させていた……。
・冒頭の惑星収容所の話はかなり間延びしており正直退屈。多分初読ではみんな忘れているであろうマリク・カーが再登場。フォンドアでの失敗から収容所の監視役に格下げされていた。ヴォングにとってもこういう仕事はやっぱり不名誉でつまらないらしい。
・ヴォング側はあまりに占領範囲を広げすぎたのと、これまでの戦いにおける消耗の激しさで軍内部の統制にも支障をきたしている。死んでからも「戦力を無駄にし過ぎ」「ジェダイに固執してドジ踏んだ」とこき下ろされるサヴォング・ラがちょっと可哀想。反面、新しいウォーマスターに昇格したナス・チョウカはかなり有能な描かれ方をしている。
・ヴォングの司祭ハラーから語られるユージャン・ヴォングの歴史と、ゾナマ・セコートの説明によって、彼らが過去の罪によってフォースを剥ぎ取られた存在だと判明。ルーク達はヴォングがフォースに戻れるよう助ける道を選ぶ。虐殺になりかねない戦争を倫理的な面から解決していこうとするあたり、ジェダイはやはり救世主的存在だと感じる。
・ボバ・フェットが唐突に再登場。しかしその活躍は十ページにも満たず拍子抜け。ほんとこのシリーズこういうのばっかだよな…。本作刊行時はエピソードⅡ公開済みのため、ボバの正体も読者には判明した状態。それもあってかジャンゴを演じたテムエラ・モリソンをイメージした素顔も披露。しかしそれを踏まえるとボバの「ジェダイの味方をしてきた」云々の台詞はちょっと謎。父親のジャンゴはメイスに殺されたのに。あと、次作で占領された惑星の解放を手助けしてたみたいなことも語られるんだけど、いまいちボバのキャラとは食い違う感じが否めない。彼はクールな賞金稼ぎであってヒーローじゃないのでは。
・モン・カラマリで銀河同盟軍とヴォングの大艦隊が激突。同盟軍は敵を迎え撃つ振りをしつつコルサントを攻める二面作戦を展開。しかし予想以上の数をぶつけてきたヴォングに圧されてしまう。ジェイナは早々に機体を損傷し、ろくな活躍も出来なかった。実質最後の宇宙戦闘だっただけに残念。まあエンジン一基だけのXウイングで生き延びただけでもすごいっちゃすごいけど。
・シムラの側近として戻ってきたノム・アノアだが、奴隷階級の反乱を鎮めるよう命じられて焦る羽目に。かといってこれまで散々奴隷達の反乱をあおってきたので今更収束も出来ず板挟みに。自業自得で面白すぎる。
・ラストにて凍結されていたはずのアルファ・レッドがカルーラで使用されていたことが判明。これといいゾナマ・セコートといい、NJOの終盤は極端に強力なガジェットが多すぎた気がする。
・カバーアートはルーク、マラ、ハン、レイア、3PO、シムラ、ノム・アノア、そしてボバ・フェット。
統合(原題:The Unifying Force ※日本版は分冊刊行)
突如コルサント上空に出現したゾナマ・セコート。それを見たユージャン・ヴォングの奴隷階級は反乱を起こし、シムラの支配は足下から揺らぎ始める。
その隙をついて、銀河同盟の最後の攻撃が始まった。ルーク達は戦争を終わらせるべく、シムラの待つ玉座へと突入していく。
・シリーズ完結作。敵味方総力をあげてコルサントでの最終決戦。統合というタイトルがとても素敵。
・ゾナマ・セコートに結集したジェダイ達がお馴染みの台詞を唱和する場面はやはり盛り上がる。
・しかし同盟軍のコルサント攻撃は割とあっさり。特に地上戦はほぼシムラの居城周辺で片づいてしまった。生きた宇宙船を使ったゾナマ・セコート軌道の戦いも、結局セコートがヴォングの兵器を無力化出来る力を持っていると判明した後は何だか茶番くさくなってしまった。最初からやればよかったじゃん…。
・ヴォングの奴隷階級達の反乱に助けられて、ルークはソロ姉弟と共にシムラの待つ玉座へ突入。ヴァーゲアとの接触やヴォングへの理解を経たルークはこれまで意識的に抑えていたフォースを解放、とてつもない強さを発揮する。うーんちょっとご都合主義的。
・ヴォング版のジェダイとして前作から登場したスレイヤーだが、そんなに大した活躍が無く肩透かし。もう少し早く登場していれば違ったかも…。
・ジェイセンが唐突に覚醒してラスボスを倒す展開も微妙(直前までスレイヤーに苦戦してる描写もあったので尚更)。長いシリーズだった割に、ジェイセンの精神的な成長も常に一歩進んで一歩戻るみたいな感じだったので、結局好感度が上がらなかったのが痛い。ジェイナがどんどん立派な軍人になっていくぶん、余計にジェイセンのダメさが浮き出てしまった気がした。あと、なんでアナキン・スカイウォーカーがジェイセンに啓示を与えたのかも理由がなくてしっくりこない。
・そのヴォング側の裏ボスことオニミ。まあ正体についてはちょいちょい伏線らしきものはあったんだけど正直弱い。他のヴォングと違ってフォースを使えるが、ジェイセンにあっさりやられてしまったので強さも微妙な印象。
・初期からしぶとく生き延びたノム・アノアだが、最期には自ら死を選ぶ。本作では行き当たりばったりで敵になったり味方になったりと忙しかった。いろんな意味でルーク達の銀河に馴染みすぎてしまい、ヴォングの種族が本来持っていた誇りや潔さを失ってしまったのが皮肉。
・セコートは地上に降り立ったヴォングの戦闘機や武器のみならずアルファ・レッドすらも無力化してしまった。さすがに都合よすぎてデウス・エクス・マキナ感は拭えない。
・同盟軍はコルサントを奪還したものの、ドゥリヤムによる改変のせいでとても首都としては使えない状態。おまけに各地では未だ降伏しないヴォングが暴れ回り、それに対して凄惨な報復をしかける市民もいる。これが映画シリーズなら勝利場面でそのままエンディングになったんだろうけど、小説なのでやっかいな戦後処理についても詳しく描かれている。
・ゾナマ・セコートは移住を希望するヴォング達を連れて、もとの星系へ帰ることに。タヒーリ、ダニ、テクリはそこに同行することを決めた。タヒーリとダニは中途半端な出番のせいでシリーズのメインヒロインになりきれなかった感じ。タヒーリは出るのが遅すぎたし、ダニは「英雄の試練」から「猟獣」まで殆どいないような扱いだった。
・ジェダイの数は五年あまりの戦争で半数に減少。ルークはフォースの哲学を自分なりにまとめる。色々ファンの意見はあるだろうけど、個人的には好きなまとめ方。ルークの思想は一見ポテンティウム寄りだが、闇が存在することを認め、フォースの意思に沿う行動を重視している。また、愛を核とする精神も一貫して変わらなかったと思う。
・ゾナマで団欒するハンやヴェッジ達。映画で若かったみんなもすっかりいい親父に。終わってみればレギュラー陣は結構生き残ってた。
・最後はキャッシークにて大団円。やっぱアナキンは殺しちゃ駄目だったよな…って執筆陣が思ってそうな描写。彼のライトセーバーが重要アイテムとして最後までしぶとく残り続けるだけに。
・何だかんだ文句並べてしまったけれども、ラストを結ぶ「遥か銀河の彼方へと…」の一文はかなり好き。終わりは綺麗にまとまってる。
・カバーアートはスカイウォーカー・ソロファミリーが勢揃い。そして出番の割に今までカバーにならなかったタロン・カードも。構図的には「レムナント」の時と同じ感じ。出来ればドロイドコンビも欲しかったなぁ。
各巻感想は今回で最後になります。次回は全体のまとめとして主要登場人物雑感と総評を書いていきます。