中国俗文学史 ざっくり感想

中国俗文学史 (東方学術翻訳叢書) [ 鄭振鐸 ]

価格:13200円
(2023/10/8 12:51時点)
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先日購入した「中国俗文学史」について、一通り読み終えました。多分、今後も度々読み返すことになるとは思うけど、とりあえずざっくりした感想を書きます。

まず、本当に買って良かった。この内容で1万なら滅茶苦茶安いと思う。中国の古典小説や戯曲について深く勉強するなら絶対読んだ方がいい一冊。雑劇とか民謡とか地方文芸とか、それまでの文学史(民国期あたりの、ですが)で小説以上に注目されていなかった、それでいて文学の発展に貢献してきたジャンルについて体系的にまとめられてる。私はこれを読むまで変文や宝巻についてまったく知らなかった。期待してた戯曲方面もボリュームたっぷりで大満足。弾詞は意外と知ってる作品ばかりが紹介されてた。このジャンルの女流文学的な面は当時の研究から指摘されてたんだな。
そういえば、昔読んだ趙樹里の小説で「快板」ていうのが出てきたけど、あれも一種の俗文学かな。もしかしたらこの本にも書いてあったかもしれない。
紙幅の関係上不可能だったんだろうけど、作品から抜き出してる場面が翻訳のみなので、原文も見て地方語とか文章のリズムとかも感じてみたいとは思った。原書も買ってみようかな。翻訳より安いだろうし。

ここまで宝巻だの弾詞だのというワードを出した時点でわかるかもしれませんが、一般向けの本ではないです。主要な小説史もごっそり抜けているので、中国文学史を勉強したい方が読む場合でも、時代の近い中国小説史略あたりを先に読んでからの方が内容も頭に入っていきやすいと思います。

とりあえず、古い時代の名著がこうして現代日本で翻訳されて読めるようになったことにただただ感動。未翻訳の作品についても沢山名前が出てきたので、興味が出てきたものを少しずつあたってみたいと思います。