倚天屠龍記 2019年ドラマ版 ネタバレあり

金庸原作「倚天屠龍記」の最新ドラマ版。全五十話。
全体的にとても手堅くまとまっていている。最近観た武侠ものの中では一番面白かったかもしれない。ちなみにこのレビューを書くまでにもう二周してます。
倚天はこれまでに2003年版、2009年版はフルで観賞し、他のバージョンはつまみ食いなんだけど、自分の中で決定版といえるものがなかった。
一番の理由は原作の映像的要求の大きさだと思う。舞台が絶海の孤島や崑崙山の奥地だったり、異国人とのバトルや無人島生活といったシチュエーション、三部作の最後ゆえに説明部分がかさむ、などなど他の金庸作品と比較しても映像化の難しい部分が多い。本作はそこらへんをまるごとクリアしていたのが凄くよかった。
そのうえでストーリー、キャスト、アクション含め基準点以上のものを作ってくれたので、私としてはとても楽しめた作品。

いいところ悪いところ色々あるんだけれど、うまくまとめられないので以下は箇条書き。

・ヒロイン達の配置のバランスが凄くいい。趙敏が無理矢理出番を増やされていた2003年版とか、明らかに周芷若の扱いが悪い2009年版とか、これまでのバージョンは制作側の変な偏りを感じて嫌だった。本作は趙敏と周芷若がメインヒロインに、殷離と小昭がサブヒロインとして綺麗におさまり、誰かが余計に出番を奪われたり、かといって推され過ぎてもいない。趙敏は登場が遅い分、終盤は完全に話の中心に陣取っていたし、周芷若も峨眉派での修行風景や暗黒面への転落過程などきっちり描かれ、ラストもきれいな終わり方。原作や他のドラマ版だと最後の扱いが雑だった殷離にフォローが入っているのも満足。そのぶん、小昭はあんまりつけ足しが無くて損をしたかも。

・中盤の見せ場、光明頂戦がほぼ原作通り映像化されていたのがとても良かった。特に華山・崑崙vs無忌はちゃんと四対一のバトルで、使っている得物も忠実に再現(華山二老がちゃんとちびとのっぽなキャストだったことにも感動した)。これまでのドラマ版だと大抵どっかの門派のバトルが省略されてたので、これは素直に嬉しい。

・終盤付近の改編は原作にあった不満が軒並み解消されていていい感じ。特に趙敏に向けられる正派の敵意は、まあ普通に考えたらそうなるよね、と納得。むしろあっさり明教内で受け入れられていた原作の方が不自然だったかもしれない。少林寺での元軍戦は、無忌と趙敏がそれぞれの立場で葛藤しなかなか盛り上がる。ただ、二人の話に比重が置かれすぎて、朱元璋の野望や明教の末路、王保保との確執とか丸投げにされた部分も多い。まあこれはしょうがないかな。とりあえずまとまり方は綺麗なので満足した。

・屠龍刀のデザインは原作に一番近いのでは、と思う。一見すると雑な鉄の塊でとてもお宝に思えないのがいい感じ。2003年版は見た目が派手過ぎ、2009年版も鉄板みたいで何か違うと思ってたので。倚天剣も屠龍刀に合わせたデザインでこれまた好み。原作と違い、正派との友好の証としてちゃんと修復して峨眉派へ返還されたのもいいまとめ方。

・明教メンバー達がみんな個性派揃いで素敵。めちゃくちゃダンディーでカッコいい楊逍、渋い老将な殷天正、郡主大好きな忠犬范遥、いつも黄金バットみたいに笑う韦一笑、にぎやかし役の周颠、妙に咬ませの場面が多いけどおかげで原作に無い個性を持てた殷野王などなど…。もうこいつらが出てきてしゃべってるだけで満足してしまう。原作では無忌のもと一丸にまとまっていた明教だけど、このドラマでは最後まで仲間同士の対立や派閥闘争が描かれていて、単純な一枚岩の組織で無いのも面白かった。

・CGがかなり自然で文句なし。初めて武侠ドラマに触れた頃はチャチな特殊効果を散々見せつけられてきたので、とうとうこのレベルまで来たかと、なんだか感無量。

・アクションは序盤がやたらスローモーなのを除けば後は良かった。とはいえ、丁寧な部分とそうでない部分の落差が結構激しい。光明頂、武当山、万安寺、屠獅英雄会あたりはボリュームたっぷりでよかったけど、武当四侠戦や玄冥二老戦、丐幇戦なんかのようにあっさり終わり過ぎなものもある。倚天はもともとアクション多めな作品てわけでもないし、もっとがっつり描いて欲しかったところ。武器に関しても玄冥二老がたった一度きりしか使わない専用杖をきちんと原作通り再現してる一方、謝遜の狼牙棒や張翠山の銀钩みたいに、そのキャラのトレードマークになっている武器が出てこないのはとても気になった。まあ、面白いからついつい細かいところにケチをつけてるだけで、ドラマの作劇上は問題ないからいいんだけども。

・OPは往年の名曲だけに文句なし。EDも劇中で効果的に使われていた。でもその他の劇中BGMはもうちょっと拘ってほしい。2000年代は使い回しこそ多かったけど印象に残るいい曲が沢山あった気がする。

・演出が時々凄く淡泊。愛弟子が十年ぶりに帰ってきた時の张三丰の反応とか、霊蛇島での謝遜との再会とか、え、ここ盛り上げるシーンだよね?ってところをあっさり流しすぎ。まあ一部だけだから気にならないっちゃ気にならない。

とりあえず、これまで観てきた武侠ドラマの中でも五指に入る名作。特に倚天屠龍記の映像化としては今のところベストだと感じました。

以下キャスト
曾舜晞/张无忌 (韩昊霖/小张无忌 芦展翔/少年张无忌)
無邪気な顔立ちがいかにも無忌っぽくていいと思う。役者が幼年→少年→青年と二回も変わるあたりに拘りを感じた。みんな可愛らしいし演技もうまい。ただ、少年→青年のタイミングは九陽真経を習得する五年間の方がよかったような。とはいえ主演が十五話近くになっても出てこないのもそれはそれで問題だから仕方ないのかも。
原作以上に善人丸出しでほいほい他人の計略に引っかかる。終盤はヒロインのみならず明教の部下達にもハメられているのが何だか哀れだった。民のため国のためとかしょっちゅう口にしているけど実のところそれは建前で、単に平穏な暮らしが望みなのが結構透けて見える。だからこそあのラストなのかな。全てを捨てて趙敏を探しに行ったのは一派の長として責任逃れとも言えるけれど、彼自身が口にしたように天下に危機が訪れれば誰かが屠龍刀や倚天剣を手に立ち上がるから問題ないんだろう。元軍戦ではもっと沢山アクションして欲しかった。過去のドラマ版含め、教主という立場にそぐわぬ簡素な身なりが多いんだけど、本作では少林寺戦以降きちんと立派な衣装をまとっているのも良かった。

陈钰琪/赵敏
蒙古の郡主。原作通り後半から登場。顔立ちや雰囲気からして何となく2001年版の黎姿を意識してる? 衣装が沢山あって見応えあり。悪女ぶりも素晴らしい。不敵な笑顔がいい感じ。正派の面々を監禁しといて「丁重に扱った」はさすがに草。
積極的なアピールで無忌の心をがっちりキャッチする。原作でもそうだけど、無忌を怒らせたり、やきもきさせたり、なんだかんだ一番感情を揺さぶれるのは趙敏だけなんだよね。やっぱ恋愛はドキドキする相手の方が燃える。それに平凡な暮らしがしたいという望みも一緒だったし。つまり最初から芷若に勝ち目は無かった…。
原作では父親と絶縁した後すんなり明教に溶け込んでいるんだけど、本作では万安寺の正派監禁や芷若の結婚式ぶち壊しなどを持ち出され、最後まで馴染めず。ドラマ版の流れの方が自然でいいと思う。

祝绪丹/周芷若 (贺楚清/小周芷若)
峨眉派の高弟、後の掌門。本作の主演陣の中でもトップクラスで再現度が高いと思う。気弱で真面目な女の子がプッツンして悪女化する過程がとにかくステキ。でも無忌への恋は一方通行過ぎるのがね…。健気に夕食作って無忌を待ってたのにすっぽかされたり(あろうことか無忌はお手製料理をもって趙敏と二人きりだった)、結婚直前の拝礼で思わずニヤけたところへ邪魔が入ったり、可哀想なんだけどなんか笑えてしまう。
ダーク化した後の掌門衣装がカッコイイ。アクションも生身多めで頑張っていたのが好感度高し。九陰神経修得後は無忌にこそ劣るものの原作以上の強さを発揮、少林三僧戦では彼らの得物を破壊し素手の勝負へ持ち込ませた。

曹曦月/殷离
とっても可愛い殷離。傷で右頬が腫れ上がってるけど全然ブサイクに見えない。周りがろくでもない悪女ばかりなので、かえって一番いい子に見えてしまう。原作に無かった殷野王との和解は感動的。最後の無忌への別れも凄くよかった。

许雅婷/小昭
ちゃんと西域美人っぽい顔立ちなのが良い。そもそも小昭というキャラが好きじゃ無いせいか(紅楼夢の襲人と同じで真面目な振りをしつつこそこそ自分の都合を優先させてるキャラだと思う)、四人の中で一番印象に残らなかった。でも無忌に対して発した「来世でもお仕えします」は名言かな。

林雨申/杨逍
明教光明左使。手を後ろに回して優雅に軽功を駆使する姿とか、拱手の時の仕草とか、細かいとこまでいちいちカッコイイ。かと思えば娘の婚礼話の時にはギャグっぽい顔も見せたりなかなか表情豊か。纪晓芙と結ばれるまでのエピソードも(ドラマ版では割とお約束だけど)きちんと描かれている。文武両道だが、教内ではあんまり人望が無く、彼が活躍できるのは無忌の存在あってこそ。倚天剣を単独で奪取したり、蛾眉・崑崙派の掌門を打ち破ったり、戦闘力はずば抜けて高い。少林寺の三僧戦で退場し、ラストまで出番が無くなってしまったのは悲しい。

宗峰岩/范遥
明教光明右使。原作では万安寺戦以降出番に恵まれなかったが、本作では趙敏への忠義を重んじ続ける忠犬キャラとしての個性が発揮され大幅に活躍が増えた。趙敏が処刑されそうになった時は無忌を差し置き単独で彼女を救い出す。教内では数少ない趙敏の味方だが、一方で元軍打倒という大局のために彼女を利用する一面も。

张永刚/谢逊
明教四法王の一人。己の仇討ちのため、武林に大事件を巻き起こす。やたら吠えるような声でしゃべるのがちょっと気になる。ちっちゃな無忌との交流は原作よりも丁寧な感じ。

肖荣生/殷天正
明教四法王の一人。無忌の祖父。本作ではちゃんと武当山まで無忌の見舞いへ訪れたり、教主となった無忌へ色々アドバイスをしたり、より家族としての絆が強調されてる。光明頂戦は原作通りで見応えあり。欲をいえばもうちょっとボリュームを増やして欲しかった。少林三僧戦で戦わないの何でかなと思ったらまさかのあの最期。いやまあOPでネタバレしてるんだけどさ…。

陈创/韦一笑
明教四法王の一人。並外れた軽功の使い手。笑い声が怪人っぽくて好き。光明頂では成昆に一矢報い、万安寺戦でもその素早さを生かして大活躍。

杨明娜/黛绮丝
明教四法王の一人。その正体は西方明教の教主。最後の方はいい人っぽく描かれてたけど、自分のせいで負傷した殷离を治療せず去ってしまったのはやっぱりヒドイと思った。

陈欣予/殷素素
殷天正の娘。序盤のヒロイン。天鷹教の衣装が可愛い。原作に比べると武当派であんまり受け入れられて無くて可哀想。このドラマは全体的にそこらへんに厳しい。

阮圣文/殷野王
殷天正の息子。いかにも悪の組織の幹部みたいな風貌で登場。やたらかっこつけてる割には灭绝からボコられたり、俞岱岩に圧されたり噛ませ犬っぽい扱いばかり。でもそのおかげでキャラが立ってる。殷天正と同様、ドラマでは無忌の親族としての立場が強調されている。

林以政/说不得
明教五散人の一人。義に厚い坊さん。ドラマでは仲裁役が多め。原作でもそうだけど五散人はアクション面での出番に恵まれない。でもわらわら出てきてしゃべっているだけで面白い。

杨一威/周颠
明教五散人の一人。原作でやこれまでのドラマでは老人っぽい雰囲気だが本作はやや若めの風貌。おしゃべりな賑やかしキャラ。かと思いきやラストの元軍戦ではカッコイイアクションを披露。普段とのギャップもあり無駄に燃えてしまった。もっと活躍見たかったよー。

纪沨/彭莹玉
明教五散人の一人。明教で議論が割れる時は大体彼と说不得、张中がセットで同意見を述べる。

李泰延/冷谦
明教五散人の一人。無口キャラ。原作では光明頂の成昆戦が唯一ともいえる見せ場なのに、ドラマでは戦う間も無く終了。もともと話さないキャラなので以降は殆ど背景。

贤棣/张中
明教五散人の一人。なんかほっそりしたビジュアルになっちゃってあんまり原作の雰囲気が無いような。

孙安可/杨不悔
杨逍の娘。無忌にこっそりと殷梨亭への想いを打ち明けるシーンが可愛い。あんな雰囲気じゃそりゃ周囲も誤解するわな。

金钊/朱老四(朱元璋)
後の大明皇帝。原作より大幅に出番が増える。各地で元軍と戦い多数の功績をあげ、さらに無忌が幼かった頃の顔馴染みだったため教内でのし上がるも、奸智に長けた人物として古株の五散人や趙敏に警戒される。あばた面がそれっぽくて良い。岳飛の遺書は徐達ではなく彼の手に渡った。最後は明教徒が皇帝になってはならないと無忌に厳命されるが…。

李浩轩/常遇春 孙奕芳/徐达
朱老四の同胞達。常遇春は胡蝶谷でのエピソードがきちんと映像化。ちなみに原作で教内の重要ポジションにいた韓林児は名前しか出てこない。

王德顺/张三丰
武当派創始者。個人的には、いかめしかった2009年版の于承惠より、こちらのほんわかした雰囲気の方が好き。

郭军/宋远桥
武当七侠の一人。穏健な慎重派で、明教討伐にも当初は反対していた。が、割と激情家な一面も。息子との因縁が描かれ、山に留守がちだった原作より見せ場が増えている。万安寺戦以降、武当諸侠は太極拳・太極剣を習得しているはずだが、本作では使う描写が殆ど見られない。ちょっと残念。

黄骞/俞莲舟
武当七侠の一人。なんか見た目が若々しい。原作では武当派最強キャラとして要所で活躍するが、ドラマ番では何かと宋親子がピックアップされるので出番を奪われがち。本作でも屠獅英雄会で見事にハブられてしまった。

贺刚/俞岱岩
武当七侠の一人。原作通り序盤で再起不能の重傷に。ドラマ版では無忌の治療で終盤は問題なく動けるようになっていた。いい改編。

曲吉/张松溪
武当七侠の一人。知恵キャラという地味な個性ゆえか七人の中では一番目立たない。俞莲舟と顔立ちが似過ぎてどっちがどっちだかわからなくなる。

李东学/张翠山
武当七侠の一人。無忌の父。王盤山での「倚天屠龍功」は原作でも一番の見せ場……なんだけど本作ではトレードマークの银钩と判官筆を持ってない!どーすんの?って思ってたらなんと地面に手で書いてしまった。予想外すぎてちょっと笑った。

宫正楠/殷梨亭
武当七侠の一人。原作以上に明教への憎しみが強く、最初は殷素素のことを受け入れなかった。また子供っぽさも強調されている。不悔と恋仲になるが、義父である杨逍とのぎこちない関係が見物。

陈剑/莫声谷
武当七侠の一人。宋青书のレイプ現場を目撃したため彼を殺害しようとするが、陈友谅の奇襲により死す。本作の武当派はみんなちょっと脳筋な感じ。草を編んで虫を作る特技を持ち、幼い無忌を喜ばせた。

张超人/宋青书
宋远桥の息子。武当派三世代目のエリートだが、周芷若に横恋慕して大転落する。ドラマ版では無忌ばかり可愛がる父親や伯父弟子達への確執や、無忌への嫉妬などサラブレットぶりが増加。なんというか、どんだけ改変してもヘタレキャラから脱却出来ないのだな、と思ってしまった。強姦未遂までやらかしてるし、周芷若の塩対応もそりゃそうでしょ、と思う。

周海媚/灭绝师太
峨眉派掌門。演員さんは過去バージョンで周芷若を演じている。原作通りの過激派だけど一方で涙もろい面もある性格に改変されている。原作でも弟子を可愛がっている部分は描写されてるし、そこまで変な感じはないかな。倚天剣を取り返してくれたのが明教と気づかず仇討ちへ燃える様が何だか皮肉。

邬靖靖/纪晓芙
蛾眉派高弟。杨逍にさらわれ、色々あって恋仲になる。

陶珞依/丁敏君
蛾眉派の高弟。原作と異なり大師姐に格上げされ、ヒールぶりも大幅に増した。敵にとっ捕まったり、芷若にボコられたり、我先に解毒剤を飲んで助かろうとしたり、情けない場面も大幅に増えてるけど。散り際をかっこよくしてもらったのは制作側の温情か。

孙子钧/静慧 王婉晨/静玄 田袁左阳/贝锦仪
蛾眉派の高弟達。みんな美人で尼さんっぽくないビジュアル。誰が誰だかよくわからなくなる。

徐鸣/空闻
少林神僧の一人。少林派の掌門。神僧とか称されつつ人質になってばかりなのは原作通りでほぼいいとこなし。

武净/空智
少林神僧の一人。空闻ほど扱いは酷くないがかといっていいとこも別にない。

于爱群/空性
少林神僧の一人。光明頂戦が見せ場の全てな人。

沈保平/空见
少林神僧の一人。谢逊との因縁が全てな人。

杜玉明/渡厄 邓立民/渡劫 张春仲/渡难
少林派最強の使い手達。原作以上に強さが強調され無忌達を幾度も退ける。皆さん武侠や古装ドラマでお馴染みの方々。张春仲は本作含めると「倚天」四度目の出演でうち三回は少林僧役。

樊少皇/成昆
本作の様々な事件の元凶。演員さんは色んな武教ドラマで有名なお方。

孙亦凡/王保保
趙敏の兄。元軍の若き英傑で武林支配をもくろむ。ドラマではシスコンぶりが強調されている。

李振起/汝阳王
元軍の司令官にして趙敏兄弟の父。演じているのが「大旗英雄伝」の雲翼役だと気づいてからもう雲翼にしか見えなくなった。勘当した娘への手紙に出てくる「殺したらスープにしてその肉を俺に食わせろ」の台詞は笑ってしまった。この過激さ、転生したら絶対来世は大旗門の掌門だよ。

傅隽/鹿杖客 安泽豪/鹤笔翁
通称「玄冥二老」。汝阳王配下屈指の使い手。これまでのドラマ版だとやたら神魔小説の妖怪みたいなビジュアルになってたので、本作の落ち着いた風貌を見た時は心底安心した。でも肝心の戦闘シーンが不足気味で本当にもったいない。毎回ちょっとペチパチやっただけで終わってしまう。最終回ぐらいがっつり無忌と戦って欲しかった。

张弓/鲜于通
華山派の掌門。他のドラマ版では流されることもあるけど本作はちゃんと原作通り。扇子アクションが良い。

谭建昌/高老者 韩梦武/矮老者
華山派の使い手で通称「華山二老」。ビジュアルも性格も原作再現度が高くて感動した。

李进荣/何太冲 胡小庭/班淑娴
崑崙派掌門とその姐弟子。金銀蛇のくだりは完全にカット。まあ間延びするからいらないけど。代わりに杨逍を地雷で爆殺しようとする。お前ら武芸者としてのプライド無いんか。光明頂戦では原作通り四対一で無忌に挑む。なかなか見応えあり。

龙德/西华子 洪士雅/卫四娘
崑崙派の弟子。张翠山夫婦を正派の裏切り者として糾弾。原作の圆心の役どころを担っている。

薛勇/关能 李忠华/宗维侠 任希鸿/唐文亮 张海峰/常敬之
崆峒派の使い手達。七傷拳の描写は見応えありだがみんな噛ませ。关能はラストの元軍戦で戦死してしまった。

侯瑞祥/陈友谅
丐幇の長老。裏では成昆と組み暗躍する。

黑海/掌棒龙头 郭伟/掌钵龙头 裴伟涛/执法长老 刘学/传功长老
丐幇の長老達。枯れ具合がいい感じ。

钟祺/朱九真
無忌の初恋相手。2003年版のようにやたら出番が増やされたりすること無くフツーに退場。

陆忠/朱长龄
朱九真の父親。無忌をだまして屠龍刀を手に入れようとする。岩場が狭くて追いかけられなくなる場面、やっぱり少年無忌役の子がやった方が説得力あった気がするなぁ。

汪坚辛/武烈 孙丹丹/武青婴
朱长龄の朋友とその娘。ドラマオリジナルとして霊蛇島との場面で再登場。武青婴は多少心を入れ替え真人間になっていた。

赵樱子/黄衫女子
楊過の子孫と思しき女性。終盤の重要キャラなのにアクション場面があっさりしすぎ。元軍戦では影も形もなし。武林の危機だし、せっかくだから戦わせても良かったと思うんだけどなぁ。

名場面
十九話~二十二話 決戦光明頂
成昆の強襲、六大派の殴り込み、殷天正の孤軍奮闘、からの張無忌無双が楽しい。このあたりまで来るとアクションが大分いい感じになっている。

三十話・三十一話 万安寺救出作戦
燃えさかる万安寺の中から、乾坤大挪移を駆使して六大派の要人達を救出する無忌。アクションもCGもしっかりしていて映像的にも安心して楽しめる。乾坤大挪移を駆使する際の、力をためるようなポーズが印象的。

四十二話 周芷若vs趙敏
お手製の夕食を作って婚約相手の無忌を健気に待っていた芷若(本作の彼女は料理上手な設定)、ところが無忌はいつまでもやってこない。そばにいた侍女が気まずい様子で告げる。「張様は、実はあの女と…」「そう……」
一方、明教の人々から糾弾されて傷心だった趙敏は、張無忌が手製の料理を持参し慰めに来てくれたのでご満悦。周芷若は涙を流しながら恨みを募らせるのだった。
いや~もう楽しすぎ。倚天屠龍記の見せ場はやっぱこれですわ。

四十三話・四十七話 あの女…絶対許さん!!
「おい無忌。おめー、義父の居所知りたいんならわかってるやろなァ?」と謝遜の髪の毛をひらつかせて結婚式をぶち壊す趙敏、片や屠獅英雄会で「あーら皆さんご存じないの? そこにいるのは趙敏よ! 元軍が攻めてきたのはあの妖女のせいに決まってるわ! みんなでぶち殺すのよ!」と暴露する周芷若。この娘達マジ仁義なさ過ぎて笑う。

四十七話・四十八話・四十九話 元軍戦
群雄を指揮して元軍と戦う無忌達。しかし趙敏がいるせいで群雄達の士気はなかなか高まらない。周芷若から渡された岳飛の遺書で一時持ち返すも、今度は趙敏の失踪で無忌がヘタれたりと一進一退、群雄も次々に犠牲を出し壮絶な決戦が続く…。
宋親子、周芷若、谢逊らをはじめ様々な人間模様のクライマックス。明教幹部vs玄冥二老の戦いにはもっとたっぷり描いて欲しかった。てか無忌、肝心な時に見せ場を逃しすぎ!!

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