東瀛游侠

1992年の中国古装アクション映画。監督は張鑫炎。
空手の起源を勝手に作っちゃったり、色々誤解のある歴史認識が笑いどころ。

ものがたり
倭寇の勃興する明代。日本の武術界は西洋人の襲来で危機に瀕していた。武士の上地完雄は西洋人との決闘に負けたことをきっかけに、中国から来た僧に少林狗拳の奥義書を渡され、その武術を会得するべく単身中国へ。ところが、間違って倭寇の船に同乗してしまい、福建に着くなり彼らの略奪騒ぎに巻き込まれる。乱戦の中、完雄は狗拳の使い手である女武芸者・翠姑と出会いを果たす。中国人から敵意を向けられながらも、完雄は狗拳を学ぶべく翠姑に近づき、やがて倭寇との決戦が始まる…。

一応史実を下敷きにしているが、まあトンデモ歴史なカンフー古装である。日本人は衣装が変だし、みんなカンフーアクションばりばり。でも日本人役のキャストはみんな全編通してちゃんと日本語をしゃべってて偉い。「ありがとう『ございます』」→「我妈死」なんてギャグも出てくる。
演じているのは中国人だが、主役が日本人というのも結構珍しい。日本の侍とか武士道って、中国から見てもやっぱり格好いいイメージがあったんだろうか。
敵キャラの倭寇が史実に比べたらずっとおまぬけで弱っちい。これは抗日ドラマの日本兵に近い感じ。か弱い女の子を人質にとったり、見事なテンプレ悪役。
お話はまあ普通のカンフー映画である。アクションは見ごたえありなので、そこはお勧めできる。

キャスト
上地完雄/于荣光
日本の武士。うえちまたおと読む。調べてみたけど元ネタがあるのか不明。西洋人の武術家に負けたのがきっかけで、中国拳法を習いに中国へ渡る。なんか意味不明だがまあそういうことだ笑。武士の癖にやたらと素手で戦う。もろカンフーである…中国いく必要ないじゃん…笑 最初は中国語ができなかったが展開の都合でいつの間にか習得していた。中国武術と日本武術を融合させ、空手の創始者みたいな扱いになっている。んなアホな笑
演者さんはアクション畑で有名。本作では武術指導にもクレジットされている。日本で知られているのは新版「三国志」の関羽役だろうか。

翠姑/杨丽青
福建に住む女武芸者。父親から家伝の少林狗拳を習っている。狗拳は空手のもとになったらしいが、全然空手らしくない(投げ技くらい?)。ていうか狗らしくもない。
演者さんは美人でアクションも上手くて素敵。古装武侠ものにも沢山出演している。

毛頭/徐洁
翠姑の妹。倭寇に襲われたところを上地完雄に助けられ、友情を結ぶ。